女性は男性よりも温度変化に敏感で、生理機能上も冷えやすいため、冷えと婦人科疾患には深い関係があります。
とくに下半身の冷えは月経や妊娠に直接関わる骨盤内の子宮、卵巣、輸卵管などの血流を著しく悪くするので、大きな問題になります。
骨盤内の血行が悪くなると不妊症、生理不順、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫などさまざまな婦人科疾患が発症する可能性があります。
現代医学では冷え症についてそれほど重要視していませんが、漢方医学では2000年以上前から冷え症を重視しており、冷え性の治療は漢方薬の得意分野といえます。体質に合わせた漢方薬をしっかり服用することで、冷えを原因とするほとんどの婦人科疾患を改善することができます。
貧血も不妊症の原因になります。貧血は出血過多による場合と鉄分の不足や吸収不足によって起きるケースがあります。出血過多については、出血の原因を調べて治療することが大切になります。
鉄分の不足は鉄剤を補給することが基本になりますが、胃腸が弱い方は鉄をしっかりと吸収することができません。この場合は胃腸を丈夫にする漢方薬が有効なことが多くあります。